JTU競技規則・第二次改定案の発表 050729-1

JTU競技規則・第二次改定案の発表


 JTU競技規則の改定にあたり、第一次改訂案はJTUホ−ムページに掲出中です。各地
からの意見を考慮し、また7月の社員総会での第二次改訂案の発表に続き、さらに細
部を調整したものを全国に回覧し、近日、JTUホームページに掲載予定です。

  なお、JTUルールブックの作成には予定に遅れが出ていますが、国際トライア
スロン連合(ITU)のルール改訂案が最近発表されたばかりであり、整合性につい
て検証が必要となるため、今しばらくの猶予をいただけるようお願いいたします。

 さて、99年度競技規則改定時には、「トライアスロンを謳歌するために」という
表題の下、出来る限り平易な表現を用い、中学生の選手が呼んでもわかりやすいルー
ルブックをめざして策定に取り組んできました。

 現在、トライアスロンはオリンピックの正式種目となり、2000年シドニー、2
004年アテネに続き、2008年北京及び2012年ロンドンでも開催されること
が決まっています。また、国内でも国民体育大会において、デモンストレーションと
してのスポーツ競技としてトライアスロンやデュアスロンが開催されております。こ
うした大きなスポーツイベントでトライアスロンが開催される中で、トライアスロン
の競技規則も、他のスポーツの競技規則とのバランスをとる必要性がでてきました。

 さらに、2000年以降、ドーピングコントロールは各競技団体で実施していたも
のから世界アンチドーピング機構に統括されました。また、2003年3月には新し
い「仲裁法」が施行され、これに基づいて、スポーツ競技またはその運営に関して行
われた決定に関する不服申立は日本スポーツ仲裁機構に委ねられることになりまし
た。このように、競技団体をとりまく環境にも変化が生じてきています。

 一方、小中高校生などジュニア部門に関しても、将来にわたってトライアスロンを
謳歌してもらうために、ジュニア大会開催時の経験をふまえ、規定の見直しの必要性
ができてきています。

 これらのことを勘案し、またITUのルール改訂を考慮し、用語は国際的に使用され
ているものにあわせる方向で、今回の競技規則改定の草案を策定いたしました。

具体的改正点

はじめに 競技規則の構成
 99年度版において構成は
  第1章 総則
  第2章 競技者規範
  第3章 競技共通規則
  第4章 スイム(水泳)競技規則
  第5章 トランジションエリア規則
  第6章 バイク(自転車)競技規則
  第7章 ラン(ランニング)競技規則
  第8章 注意・指導とペナルティー(罰則)
  第9章 自己申告とプロテスト(抗議)
  第10章 アピール(上訴)
でしたが、第1章と第2章との重複を整理するとともに、全体の構成を見直し、
  第1章 総則
  第2章 競技者規範
  第3章 競技者
  第4章 大会
  第5章 競技共通事項
  第6章 スイム(水泳)
  第7章 トランジションエリア
  第8章 バイク(自転車)
    第1節 バイク競技共通事項
    第2節 ドラブティング禁止大会
    第3節 ドラフティング許可大会
  第9章 ラン(ランニング)
  第10章 罰則(ペナルティ)
  第11章 オフィシャル
  第12章 抗議(プロテスト)
  第13章 上訴(アピール)
  第14章 仲裁
としました。また、一般的な規則の文書の構成と同様の条、項、号の構成に改めまし
た。

1 総則
  一般に、規則の解釈にあたっては総則に書かれていることを基に行われるため、
目的及び定義などについてこの章にまとめました。特に第1条の目的は、この規則に
おけるすべての規定に対する解釈の礎となります。
 具体的には、99年度改正の「トライアスロンを謳歌する」を明文化したものと
なっています。なお、4月の改定案からさらに見直しを行っていますが、4月の改定
案ではこの規則の対象がトライアスロンに関することであればすべてにわたってしま
うので、大会の実施と競技者の権利・義務に関することのみに限定しました。

2 競技者規範
  ここではマナーに関する事項をまとめて規定しました。

3 競技者
  ドーピングの禁止と、大会出場資格に関する事項をまとめて規定しました。

4 大会
  大会の部門設定と表彰について規定しています。また、従来は規定のなかった、
選手権などの名称に関する使用制限について規定しました。
  なお、この規定の中で「当面の間」という規定がありますが、これはあと数年と
いった期間ではなく、かなり長期的なものを想定しています。法律においても「当面
の間」という規定が50年以上続いている例があります。

5 競技共通事項
  援助について、具体的に規定しました。拡声器をつかっての応援等は援助とみな
すと明確化しています。
  また、ワールドカップや世界選手権の際にしようするウェアについてITU競技
規則の改正を反映させてあります。

6 スイム(水泳)
  字句を整理しました。

7 トランジションエリア
  字句を整理しました。また、ヘルメットの着用前にストラップをあらかじめつな
いでおくことは、部門を問わず禁止としました。

8 バイク(自転車)
  字句を整理しました。また、共通事項、ドラフティング禁止、許可について節に
区切って規定しました。
  大きな変更点として、ヘルメットは、規格に適合したもののみ使用を認めるので
はなく、自転車競技用の硬質ヘルメットを着用することとし、推奨する規格を列挙す
る規定に変更しました。
  また、ITU競技規則の改定に伴い、ドラフトゾーンの大きさが、後輪の最後部
を中心として後方5メートルから、前輪の最前部を中心として後方7メートルに改め
ました。

9 ラン(ランニング)
  字句を整理しました。

10 罰則(ペナルティ)
  注意と警告を区別し、注意は罰則ではなく、審判員からのアドバイスとして、競
技共通事項に移動。警告は指導と名称を変更し、ペナルティとして規定しました。ま
た、ドーピング違反に関して、ITU、WADA、JADAの規定と整合性をとるた
め、資格停止及び追放を規定しました。

11 オフィシャル
  ITU競技規則と整合性をとるため、オフィシャルの規定を追加しました。

12 抗議(プロテスト)
  従来は審判長に対して抗議を行うものとなっていましたが、ITU競技規則と整
合性をとるために、コンペティション・ジューリーに対して異議申立てを行い、コン
ペティション・ジューリーが裁定をする規定に変更しました。

13 上訴(プロテスト)
  抗議の規定の変更及びITU競技規則との整合性をとるため、上訴はJTU理事
会(または所轄加盟団体理事会)に対して異議申立てを行う規定に変更しました。

14 仲裁
  仲裁は日本スポーツ仲裁機構によっておこなわれることになったことをうけ、こ
の規定を設けました。これに伴い、ITU理事会への上訴及びCASへの上訴規定は
削除してあります。(ITU理事会への上訴及びCASへの上訴も否定されるもので
はありませんが、実質意味をもたなくなったため。)