技術審判委員会(議事メモ・東京港)



第3回JTU拡大TC会議・議事メモ

記録:長谷、渡邉
開催日時:2005年10月22日(土)17:30〜18:30
場所:日航ホテル、
参加者:全国各地からの審判約40名弱

 第1回、第2回の拡大TCを蒲郡、銚子と、それぞれJTU関連大会前日に開催し
てきた。今回は3回目の大会現場での拡大TCである。今回は、明日の大会に役立つ
心構え・技術として、以下の3点について討議、紹介した。


1. スイム、バイク、トランジション、等々それぞれの持ち場担当者毎5〜10人の5グ
 ループに分かれて、危機管理のためのケース想定、対応策検討をグループ討議を
 行った。
   結果発表においては、全チームの対応を見ることにより、他チームはどのような
 ことを想定しているかがわかり、興味深い。
   また、各チームにとっては翌日の大会で発生しうる審判員行動のイメージトレー
 ニングともなり、大会当日の円滑な審判員の行動が期待できた。


各Gの発表の要点
スイムチーム:
  スイムコース及びその周辺エリアマップをイラスト化し、それぞれの場所ごとに発生
 しうる問題を提起し、対応を討議。 選手を応援する人達に発生する問題(応援者同士
 のトラブル、選手へのドリンク等の受渡し)、たまたま周辺に来た人たち(サーファー、
 散歩の人)への協力要請、また盗撮対応について討議。

トランジション1チーム:
  会場の場所柄、散歩中の人に対する対応やコース横断者(コース出口の歩道)への
 配慮、また盗撮対応について討議。

バイクチーム:
  本大会中で最も広いエリアを担当するチームであり、バイクコース周辺の営業中の
 会社や通行車両/通行人への配慮、心構えを討議。 競技中にはコース上の安全確
 保を優先して周辺利用者へ配慮すること。

トランジション2チーム:
  エリアへの関係者以外の立ち入りへの対処、選手同士の接触によるアクシデント対
 応、の他に、トランジション2(B->R)特有のスピード感も想定した、審判員自身の誤判断
 による事故の想定もされ、臨場感のある討議となった。

ランチーム:
  お台場地域の観光スポットを横切るコースであるため、コース横断者への問題想定
 となった。行動を予測しにくい子供さんに対しては審判員自らが身を挺して誘導したり、
 脱水症等で倒れ込んだ選手の対応、等。
  参加者の感想:事前にこのような心がけで 非常時の対応を検討しているのとして
 いないのでは、実際にそれが起こった場合の時の対応が大きく異なるであろう事を
 実感。参考になった。


2.大会前の心がけとして、@コースを必ず下見すること、A大会の基本的な要項に
関わる情報は全て理解しておくこと、をお願いする。(TC委員長) これは、各自の担当
に関わらず、必ず全員が知っておくという心がけが必要。理由は選手も観客も審判であ
れば当然何でも知っていると思って質問してくるから。

 次の3つの質問を理解度テストとして全員に質問し、自信をもって答えられる人は挙手
してもらった。

  1.バイクの周回数は? 
  2.ボディナンバリングの場所は?
  3.男子のバイクコース下見ができる時刻は?

 いずれも大会要項や事前資料に書いてあるが、明日いかにも選手に聞かれそうな事
ばかり。結果は個々の問題で挙手できた人がわずか。(まして3問全部挙手はほぼ皆
無。)  いかに審判員各自が大会の基本情報にあいまいなまま臨んでいるかを自覚
してもらい、明日までに書類を精読し理解することを依頼。


3.TC委員長が通常実践しているドラフティングレースのバイク記録の取り方紹介。
 「10倍面白いバイク競技の見方!!」

 a) 周回数だけ記録用白紙を蛇腹のように折っておき、同一周回者(ドラフティング
  レースのみに使用可)の通過記録(選手の集団の人数と通過時刻)を同一列に
  記入。周回毎に何名競技中か選手数総計を計算して記載。

 b) 通常、数周経つと、長く前後に延びていた選手の列が段々集団となり、後ろから
  追い上げる構造がよく判る。集団の融合、分離の様子がよくわかり、又周回毎の
  ラップタイムから集団毎のフィニッシュタイムが予測できる。

 c) 後で貴重な記録となる。大会リザルトにはフィニッシュ時のタイム順の表記しか
  ないが、競技中はどのような展開になるか、ライブで見ながらレース展開が想像
  できるので、バイク競技時間が短く感じられる。

ランやスイム担当者など、バイク担当以外の人には是非お薦めの観戦法である。バ
イク担当者でも業務上必要あるいは余裕のある人は実践されることをお勧めしたい。
=以上=