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社団法人日本トライアスロン連合 JTU 2012JTUニュースリリース 発行元:公益社団法人日本トライアスロン連合 JTU
配信日:2012年5月11日(金)
   

トライアスロン新世紀
−Triathlon New Wave− NO.4

山本がランをリード

「3月のムールラバワールドカップではラン3kmまで先頭。ここ石垣島ではラン5kmまでトップを維持した。表彰台の選手たちとはまだ走力の差はあるが、ランの強化をさらにすすめて、サンディエゴ、マドリッドで8位以内を狙いたい」と語ったのは、山本良介(トヨタ車体)。4月22日(日)に行われた石垣島ワールドカップ9位のレース後、さらに「男子のオリンピック出場2枠のうちの一つは、自分がポイントを重ねて獲得したもの。その枠を、他の選手に渡すわけにはいかない」と付け加えた。

 

 男子のオリンピック代表の一つは、すでに4月7日(土)のアジア選手権優勝の細田雄一(グリーンタワー・フェリック・稲毛インター)が決まった。このレースにも出場した山本は、ランで20秒以上遅れて3位に終わり、優勝できなかった。「力を出し切ったので、口惜しいけれど、悔いはない」と山本はアジア選手権を振り返ったが、一番代表の座を得やすいとみられたアジア選手権だっただけに、今後のサンディエゴ、マドリッドではこれまで以上の集中力が試されることになる。

 

山本はランで5kmまでトップに立つ

 

田山はこの後2戦に活路

 山本が言う、代表を渡すわけにはいかない他の選手、の筆頭に来るのはやはり田山寛豪(NTT東日本・NTT西日本/流通経済大学職員)だろう。その田山は、アジア選手権では最後の200mまで細田を一歩リードしながら、フィニッシュライン目前でトップを明け渡し、1秒差の2位に泣いた。
 石垣島のレース前、「アジア選手権で負けた1秒の差を大切にして練習していきたい」と語っていた田山は、スイムをトップと3秒差の6位で上がり、バイクの第1集団をコントロールしながら好位置をキープした。しかしその後、スイムで遅れてバイク第2集団に入った山本らに追いつかれ、さらにバイクの最後の2周で山本を含む5名の選手にエスケープを決められ、ランスタートでは逆に約1分の差をつけられてしまった。

 

 田山は、アジア選手権2位であったが多くのポイントを獲得でき、サンディエゴ、マドリッドへの出場権をほぼ確定した。それだけに、無理をする必要のないレースだったのだろうか。しかし、バイク終盤の山本の逃げに反応できていれば、表彰台は確実だっただろうから、当面のライバルである山本に、ここでプレッシャーを与えておくこともできたはずだ。

第1集団をコントロールする田山

 

混戦となるか男子代表

 山本は、石垣島での戦いを、「スイムを前であがり、バイクで第1集団で戦うことができていれば、もっと楽にエスケープできたはず」と言う。このように山本は、バイクで逃げて少人数でランを戦い、高順位を得るという戦法を取る。


 一方の田山は、スイムでトップを取り、バイクでは第1集団の好位置につけ、ランで一気に勝負する戦い方。
 似ているようだが、少人数でバイクで逃げてからのラン勝負を挑む山本と、大人数のバイク第1集団からランで抜け出そうとする田山には、若干の戦法の差がある。バイクが得意な山本と、よりランが得意な田山の特長がこのあたりに見られる。

 

 今後の興味を占えば、先陣争いをしている山本と田山が、サンディエゴとマドリッドで二人とも8位以内に入るということもあり得る。国別枠はほぼ2枠で決まりと見られる日本で、細田、山本、田山の3名が代表枠の基準をクリアすれば、6月に入ってから、新たに代表選考が行われることになる。

 

 女子の代表内定であるサンディエゴ、マドリッド大会3位以内に対し、男子の8位以内はハードルが低くより実現可能とも見られるので、場合によっては上記の事態も出現する。
 いずれにしても、うれしい悲鳴となることは確かだ。

 

エスケープを決めた5名でトランジションに入る山本

 

 

元気な女子・佐藤に注目

 一方女子は、昨年のロンドン世界選手権シリーズですでに日本代表を内定している上田藍(シャクリー・グリーンタワー・稲毛インター)の調子がいまひとつ。アジア選手権では、スイムの遅れをバイクとランで徐々に挽回し、圧倒的な走りをみせて3位まで追い上げた。


 石垣島で上田は、スイムで遅れて28位となり、バイクではほとんど独り旅を強いられた。ワールドカップの選手たち相手では、いくらバイクが得意の上田でも荷が重い。ランでは、ラップ12位と健闘したがタイムは36分53秒で、結局23位。前週の世界トライアスロンシリーズシドニー大会でも、同様にスイムで遅れてバイクは独走。ランで追い上げても54位に沈んでいるだけに、この2戦の結果は心配が残る。


 上田のシナリオは、スイムで遅れても、バイクで追いつき、ランで前へ出る戦い。アテネオリンピックでは、スイムで遅れてバイク第2集団だったケイト・アレン(オーストリア)が、ランスタートでつけられた約2分もの差をランで挽回して金メダルを獲得している。

 

上田はバイクを独りで戦う


 国別で最大3名しか出場できないオリンピックは、スイムやバイクのスペシャリストが世界トライアスロンシリーズよりも少なく、スイムで遅れる上田と一緒にバイクで前を追う選手は多いと見られる。つまりバイクで追い上げてのラン勝負となり、ここが上田の狙い目でもある。ただ、「スイムの強化とともにランの強化をしている。スイムのタイムも上がってきている」と石垣島で上田が語っていたとおり、いま一層、スイムを前で上がる努力が必要だ。


 女子で元気なのは、佐藤優香(トーシンパートナーズ・チームケンズ)。アジア選手権2位、シドニー21位となり、石垣島では6位に入った。代表レースでは、一歩先輩たちに道を譲っていたが、「オリンピック出場の夢をつかむのは今しかない」と佐藤は胸を張る。恐れを知らない若さで、もしかすると代表の切符を手にするかもしれないだけに、注目だ。

 


若手の佐藤は旋風を巻き起こせるか

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