公益社団法人日本トライアスロン連合(JTU) 強化活動に関する確認書(2025/2/11時点)
趣旨
公益社団法人日本トライアスロン連合(JTU)強化本部は、同本部が主管する遠征や合宿などの事業において、強化活動を効果的に行うために<強化活動に関する確認書>を設ける。
選手・スタッフとしての確認事項
[1]強化事業に参加に関する誓約事項
1)基本方針の賛同の意思表明
・私は、トライアスロン競技を謳歌(おうか)するために、事業の主催者、選手、支援者が共存するよう努めます。
・私の親族は、本確認書のことを理解し、私の本事業参加に同意しています。
2)承諾の基本事項
・公益社団法人日本トライアスロン連合(以下、競技団体)の諸規程、競技規則及び事業毎に定めるルールを遵守します。
3)登録会員等と社会適正
・競技団体 細則第6条の規定による登録会員であり、日本国外のトライアスロン統括団体への登録はありません。
・「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)2条2号」に掲げる者に該当していません。
4)健康状態の申告
・状況を見極めながら、自身の技量の範囲内でトレーニングを行います。
・最近1年間に医師の健康診断を受け、最近1年間に医師の健康診断を受け、本事業実施において配慮すべきことは理解しており、自身のペースを守りながら本事業での諸活動を行います。なお、心身の不調を感じた場合は、速やかに担当コーチらに報告し適切な対応をするものとします。
5)傷病・死亡事故の補償範囲
・参加事業毎に加入している保険内容を事前に把握し、本事業参加中に競技が原因で傷病もしくは傷病による後遺症が発生した場合、または死亡した場合の補償は、事業主催者の過失がある場合を除き、事業主催者が契約している保険の範囲内であることを承知しています。
6)事業の中止・変更、競技用具類の盗難・紛失・破損等
・天災や気象状況の悪化など不可抗力による対象事業の中止や変更があった場合には、主催者に対し参加のための参加費等の払戻し請求及びその他支出した費用の請求はしません。また、参加事業の延期などの場合は別途示される規定に従います。
・対象事業開催に障害となる前項以外の事象が発生した場合には、前項と同様の対応とすることに同意します。
・対象事業期間中の競技用具類の紛失・盗難または損傷に対し、主催者に過失がある場合を除き、主催者に補償を求めません。
7)紛争の解決
・本確認書に違反する事案が発生した場合には、倫理コンプライアンス規程に基づき対処することを承諾します。
・競技中に発生する抗議、上訴、不服申し立てについては、競技団体の競技規則により手続きをすることとします。
・参加事業に関する裁判上の紛争が生じた場合は、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とし、準拠法は日本法とすることに同意します。
[2]認定選手・スタッフの行動規範
1)基本方針
選手・スタッフは、次を励行しなければならない。
・ 日本国民を代表するにふさわしい礼儀をわきまえ、常に責任と規律ある行動をとり、社会の模範となる。
・ 活力ある日本トライアスロン界を代表するにふさわしく、かつ参加各国との友好と親善に寄与する。
・日本国民及び日本トライアスロン界の期待に応えるべく、常に向上心を保持する。
・チーム全体の目標を達成するために協力し、相互のサポートと尊重を大切にし、健全な競争と共に成長を目指す。
2)法令及び諸規則等の遵守
・法令及び諸規則等の遵守法令及び諸規則、競技団体の諸規程等を遵守し、常に良識を持って誠実に行動する。また、他の者に対し、法令等に違反する行為を指示・教唆したり、他の者が法令等に反する行為を黙認したりしない。また、反社会的勢力やその関係者とは一切関係を持たない。
3)差別の排除と多様性の尊重
人種、性別、信条、思想、宗教、身体的特徴、経済的事情、家庭的事情、学歴等を理由とした差別を行わず、多様性を受け入れ、異なる背景や価値観を尊重する。
4)社会貢献と環境保護
日頃から社会との良好なコミュニケーションの維持に努め、スポーツを通じて明るく心豊かな社会の実現に貢献するとともに環境保護に配慮し、リサイクル等に努め、持続可能な方法で活動を行う。
5)ドーピング行為、違法薬物摂取の禁止
違法薬物摂取の禁止、ドーピング行為は一切行わない。アンチドーピング規程を遵守するとともに、必要な薬物等の服用は必ず事前に医師に相談し、ドーピングに当らないことを確認した上で服用し、その旨をメディカル委員会、アンチドーピング委員会に報告する。また、違法薬物(覚せい剤、麻薬、大麻等)は絶対に禁止する。
6)礼儀礼節の保持
社会の一員として法令等とともにモラル、マナー、エチケットをわきまえ、社会的責任を自覚した行動を心掛ける。また、他の競技者や大会関係者、観戦者に対して 敬意をもって接する。し、スポーツの価値向上に努める。
7)ハラスメント行為の禁止と報告励行
身体的及び精神的セクシュアル・ハラスメント、パワーハラスメント等性的言動、表現によって相手に不快感を与える行為を行ってはならない。また、指導的立場にある者は、その権威を利用し不適切な行動や強要をしてはならない。
8)名誉棄損行為等の禁止
トライアスロン競技及びトライアスロン競技に関わる全ての人の名誉を害する行為及び信用を傷つけるような行為はしない。ソーシャルメディア (ブログ、X、フェイスブック等)の利用にあたっては、他人への誹謗・中傷、権利侵害、政治的・宗教的な投稿 はしないことは言うまでもなく、個人情報の不正な取り扱いや流出を禁止する。 また、プライバシーと個人情報の保護を徹底する。
9)健康への留意(飲酒・喫煙等)
日本国内・国外にかかわらず、代表選手・スタッフ等の活動期間中は、成年者であっても喫煙と過度の飲酒は控える。また、飲食については、強化向上を考慮して対応する。
[3]メディア活動に関する確認事項
1)基本方針
選手及びスタッフがソーシャルメディアを活用し、自身の経験や情報を発信することを奨励する。
運用においては、ワールドトライアスロン、国際オリンピック委員会(IOC)、日本オリンピック委員会(JOC)及び日本パラリンピック委員会(JPC)の方針に準じる。
一方、ソーシャルメディア上での情報発信は、ときに選手・スタッフを巻き込んだ思わぬ波紋を呼び起こすことがある。その結果、強化活動に著しい支障をきたし、トライアスロン競技の評判を左右する事態に発展する可能性がある。これらにより、適切なリスクマネジメントを講じるために、ソーシャルメディアの特性を踏まえたメディア活動の基本原則を示す。
2)メディア活動の基本原則
①トライアスロン界の発展につながる情報は積極的に共有する
②日本代表としての自覚を持ち、誠実で品位ある発言をする
③他者の批判は絶対に行わない
④チームやチームメートに不利益となる機密情報の漏洩に当たるとみられる行為を禁止する
⑤やらせ行為及び誤解を招く発言はしない
⑥競技団体のスポンサー・パートナーのマーケティング活動を阻害するような発言はしない
⑦著作権及び肖像権など第三者の権利を侵さない
⑧「見られている」意識をもち、投稿内容を慎重に確認する
⑨ 一度公開した情報は完全な削除が出来ないと認識する
⑩ トライアスロン競技に関する意見を述べる際は、必ず一人称で記載する
[4]選手広報活動・肖像等の使用に関する確認事項
1)競技団体のプロモーション活動及び競技団体の企画するトライアスロン競技普及・振興活動に協力し、肖像等を無償で使用することを許諾する。
2)競技団体のマーケティング活動において、スポンサー企業等の広告・販促活動に協力し、肖像等を使用することを許諾する。但し、その対価として競技団体に支払われる報酬(都度料)等の配分については、その都度当該競技者と協議し決定する。
3)国内外での大会への出場及びイベントへの出演時に競技団体によって収められた映像等の著作権は撮影元に帰属する。従って、該当する映像の無断での二次使用は禁止する。
4)強化指定選手として指定された行事(記者会見、壮行会、各種公式事業等)には参加する。また、所属企業を含む肖像等の使用契約が存在する場合であっても強化指定選手として活動・行事に参加する限りにおいては、競技団体のスポンサー・パートナーが優先されることを承認する。
5)強化指定選手の認定期間を肖像等使用期間とする。尚、この間に現役を引退した場合にも肖像等が使用されることを承諾する。
6)盗撮や迷惑撮影の対象とならないよう、選手・コーチ同志が相互的にチェックし合う。盗撮のサイト投稿はJTUにおいて、警察を含め所轄官庁への報告など対処する。
[5]海外渡航等に関する確認事項
1)基本方針:
・公益社団法人日本トライアスロン連合では、海外渡航に関し、公費派遣・自費派遣を問わず、日本国政府の海外渡航方針に準拠することを第一義に 関係者の健康維持と安全確保を絶対的な最優先事項とする。
・日本国政府の方針に準拠の上、渡航先国の危険情報レベル・感染症情報の確認の上、入国の方針に従うこととする。
・ワールドトライアスロン/アジアトライアスロン/開催国NF/日本国/競技団体の各規程・ガイドラインの準拠を誓約する。
2)日本国政府及び関連団体から渡航許可・方針の確認と遵守
・外務省
・厚生労働省
・スポーツ庁及び日本スポーツ振興センター(JSC)、JOC、JPCの方針/指針
3)開催国の指針の確認と遵守
・査証及びその他証明書の提出の有無
・開催国(開催地)情報(危険情報レベル・感染症情報・医療情報)の確認
4)ワールドトライアスロン/アジアトライアスロン/大会主催者の指針の確認と遵守
・ワールドトライアスロン(https://www.triathlon.org/)
・各種証明書・渡航前診断書の必要有無確認
5)本遠征・海外渡航について、所属先・家族・関係者の同意
・所属先の承諾・海外出張規程等の確認と同意
・家族・関係者の同意
6)健康/感染症対策の確認と遵守
・健康や感染の可能性が疑われる状況があった場合は、⾃主的に渡航・移動を見合せる
[6]公式派遣大会・合宿事業への確認事項
1) 派遣期間は全公式行事(競技説明会・競技・セレモニー)が終了するまでの期間を公式派遣期間とする。(例:競技日程が土曜日=女子・日曜日=男子の場合、日曜日の男子競技終了までが公式派遣期間)
2)選手は、該当の活動として定める公式事業(記者発表・取材・研修会・測定等)には必ず参加する。参加できないやむを得ない事情があるときは、事前に 競技団体 に届け出、承認を得る。
3)代表活動期間中は、管理責任者、リーダー、ヘッドコーチ(以下、役員・スタッフ)により定められた時間(集合時間、門限等)を厳守する。
4)代表活動期間中、宿舎から外出する際には、必ず役員・スタッフの了承を得る。
5)移動時・競技説明会等の公式行事において、指定のユニフォームがあるときは、それを着用すること。
6)競技説明会では、確実な内容確認のために、日本チームでまとまって着席をする。ただし、個々に着席した場合には、終了後にコーチによる内容確認を行うこと。
7)メダルセレモニーで国歌⻫唱・国旗掲揚される時は脱帽し、姿勢を正し、表彰台登壇選手に敬意をはらうこと。
8)各チーム毎、遠征・合宿毎に定める指示事項を遵守する。
[7]確認の奨励
本確認書に定めのない事項及び理解が不明瞭な場合は、都度、問い合わせることを奨励する。