International Triathlon Union

日本スーパースプリント選手権(2025/蒲郡)公式記録の変更について

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 2025年6月22日に開催されました「日本スーパースプリントトライアスロン選手権(2025/蒲郡)」において、競技規則第12章による抗議(プロテスト)が提出され、二度にわたる審議の結果、公式記録に変更が生じました。つきましては、以下のとおり経緯及び変更に関する概要をご報告いたします。
 出場選手と関係者の皆様にご負担とお手数をおかけしてしまったことに今後への改善の意志を込めて、心からお詫び申し上げます。
 また、状況証拠となる写真や動画、コメントの提供、ヒヤリングに協力してして頂いた関係者の方々やTOの皆さんの献身的な尽力に御礼申し上げます。
 トライアスロン競技というデッサンが必要なコース・べニュー設定に対して、主催者・TO・選手・コーチの協力を頂きながら、今後もさらに成熟した競技会の開催を目指してまいります。

[1]大会概要
大会名:日本スーパースプリントトライアスロン選手権(2025/蒲郡)
開催日:2025年6月22日(日)
開催地:愛知県蒲郡市(浜町・竹島・市民会館周辺)
競技内容:スイム375m(1周)/バイク7km(3.35km×2周+300m)/ラン2km(1周)*スーパースプリントディスタンス
対象レース:男子ファイナル
https://www.jtu.or.jp/news/2025/06/11/73560/

[2]事象の概要
1)概要:T2でのシューズの位置変更とトランジションボックス内設置に関する抗議
2)内容:
決勝のT2レイアウトが競技説明会と異なっていたため、選手からの指摘を受けて本来の配置に戻した。しかし、一部選手が既にセッティングを終えていたにもかかわらず、適切な周知や調整が行われなかった。特に、選手からの意見がTO間で共有されず、レイアウト変更後の選手対応が不十分となった。また、レイアウト変更の周知も不徹底で、全選手に正確な情報が伝わらなかった。
3)原因:
主たる原因は大会当日のスケジュール及びレイアウト設定に起因するTOの管理の欠如。会場の特性と交通規制の制限時間を考慮し、T1・T2を分けるレイアウトが採用され、セッティング作業には通常より時間を要した。その中で、限られた時間内で全競技を完了する必要があったためスケジュールが非常にタイトとなり、
結果として担当審判員と統括審判員、運営管理者との間で「報告・連絡・相談」が十分に機能せず、情報共有と意思決定に食い違いが生じた。

[3]審議の経緯
1)大会当日の抗議と審議
1-1)抗議選手:5名
1-2)抗議内容:トランジションエリア2(T2)にて、セットしたシューズの位置が変更された、
もしくは、トランジションボックス内にセットされたため、ランシューズの発見と履き替えに時間がかかった。
1-3)裁定結果:抗議を認め、抗議者5名全員に対し、一律でT2のトランジション時間から5秒を減算する。
但し、あらたな映像が発見された場合の再審議が可能である旨を伝達。
1-4)裁定理由:
トランジションボックスの配置に関する競技運営に不備が確認された。
広報用に撮影された第1パックのT2の動画を根拠に、最も余分にかかった時間が4.4秒であることから、減算タイム5秒とする。
1-5)審議の経過:
・事実確認:抗議者から提出された申立書、およびT2チーフTO、TD・HRへのインタビューから事実関係を確認。
撮影動画を分析し、抗議者の余分にかかった時間について、客観的証拠を検証した。
・根拠映像:T2の動画は広報用に撮影された動画のみ。降車ラインの撮影動画ではTA内状況は確認できなかった。新たな映像が発見された場合は再審議が可能である旨を伝達した。

2)大会終了後の審議内容
2-1)審議の経過:
T2を確認できる根拠動画が広報撮影の1動画のみであり、追加素材を関係各所に提供を求めた。
また、抗議選手5名に対して、本事象に関する調査状況の説明会の開催を提案し、2名が参加。
さらに、追加の映像が提供され、再審議を行なった。
2-2)継続抗議選手:2名
2-3)抗議内容:追加映像を根拠に、大会当日の裁定結果の5秒以上のタイム減算の要求。
2-4)裁定結果:2名の選手の減算タイムを12.62秒とする。(現在の減算済み5秒に加え+7.62秒の追加減算)
2-5)裁定理由:
追加の動画提供があり、余分にかかった時間の妥当性が認められた。
動画から確認できる12.02秒に、大会当日の審議委員会裁定である+0.6秒を加えた12.62秒とする。

[4]再発防止策
1)トライアスロンジャパン内の危機管理委員会とは別に、技術委員会内にてテクニカルオフィシャル、
競技中の審議事象が発生した場合に、必要に応じ、技術危機管理委員会を設置する。
委員構成は、正副技術委員長5名を中心に必要により役員・有識者を加える。
正式活動は、9月のトライアスロンジャパン理事会後とするが、今回の事象を受け副委員長候補者と即時対応にあたる。
対応内容:事実確認、原因調査、再発防止策他
2)選手権については、TD、HRと連携し、競技説明会資料、アスリートガイド、テクニカルオフィシャルマニュアルのチェックを技術委員会として行なう。必要に応じ、技術委員会委員を大会に派遣し、選手への提供情報、マニュアル通り運営されているかのチェックを行なうと共に、各テクニカルオフィシャル、関係者との連携とサポートを行なう。
3)スイムスタート、乗降車ライン、トランジションにてビデオ(動画)撮影機材の導入を推奨する。

4)本事案は、理事会への報告を行い、都道府県団体への報告、ウェッブサイトへの公示などを通じ、全国の大会での同類事象の再発防止に努めるものとする。

[5]変更後の公式記録
https://www.jtu.or.jp/result/?event_id=328&program_id=328_1

*参考)変更前の記録

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