アテネ情報 6
(アテネの気候について,現地日本人学校の校長先生から)
まず、今年の気候と言うことですが、アテネは猛暑でも冷夏でもありませんでした。例年通りという言葉でもいえませんが、いつもの夏だったと思います。 パリを中心に猛暑のヨーロッパだったのですが、ギリシャは遠く離れた地中海性気候です。内陸のヨーロッパ中央部とは随分違っています。毎年の例ですと、6月中旬から気温が上がり始め7月中から8月上旬は大変暑い日が続きます。 その時に、アフリカからの熱波が重なると40度以上の猛暑の日になることが多々あります。今年は、7月中旬に一度ありました。この時は、エアコンが無いと夜も眠られないほどです。 8月上旬から下旬にかけて暑さは一応下火になります。体が、暑さに慣れてくることも あるのですが、実際に気温も少し下がり気味になるようです。 しかし、また8月下旬から9月にかけて暑さもぶり返します。実際、今年も8月下旬から9月上旬は猛暑でした。 ただし、36度以上から40度を越える暑さにはなりますが、日本の暑さと違って、こ ちらは湿度がありませんから、日中の直射日光のあたる所でなければ体感温度はそれほ どではありません。 木陰や部屋の中は、それ程気にならないくらいです。 しかし、いちがいにアテネと言っても、オリンピック会場はあちこちに散在し、場所に よっては随分違う様相を見せます。 中心会場のマルーシ市は、内陸にありカンカン照りにさらされます。日中は大変暑くなることが予想されます。 さらに、中心地のシンタグマ近くのアテネ市は、高層ビル街でマルーシ市より2,3度高くなります。ここら辺は夜も気温がなかなか下がらないのでエアコンの中での生活となります。この地区にホテルは集中しています。 野球やソフト、ボートの会場は、海の近くのグリファダ市なので、海風があり多少過ご しやすいと思います。
オリンピックは、8月13日から29日までと聞いています。この時期は、比較的夏と言っても過ごしやすい日が続くかと思います。 ただ、体感気温は日本ほどではないと言っても、体からの水分の蒸散作用は目に見えな い(汗をかかないので)ので、水分補給は十分慰しておかないとバテてしまいます。こちらでは、外出する時はペットボトルを持ち歩くか、ペリプテロ(街頭の売店)で購するのが常識です。 ですから、いちがいにアテネの気候と言っても、各種各様です。各種目会場の場所と会場(室内か室外か)のチェックを十分に検討されるとよいかと思います。
会場やインフラ整備は確かに遅れています。心配な点も多々あります。ただし、ギリシャ人は全くアバウトでアラブ的な国民です。日本人のような几帳面さはありませんから、日本人やヨーロッパ人から見れば今の様相はとても心配です。しかし、期日までには なんとかやってしまうものと思われます。 でも、今あるホテルはほとんどVIPか大会関係者用に国が押えてしまっています。 新しホテルを新設する予定は全くありません。 ですから、選手が特別にホテルを調達するとか、観光客が割り込むとか言う余裕は全く ないと言えます。 ここが、アテネで開催する一番問題のようです。選手は選手村での生活しか考えられな いでしょう。観光客は、一般人が提供する民宿のような宿しかないでしょう。 地元の観光会社は、ホテルと移動用の足が確保できないので商売をやりたくとも対応できな いと嘆いています。
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