International Triathlon Union

Share

堀 陽子選手/ニュージーランド・アイアンマン結果報告 050310-1
 堀 陽子選手/ニュージーランド・アイアンマン結果報告

先日3月5日、ニュージーランドのタウポにて、アイアンマンが行われました。
今年のタウポは、いつもより暖かいレースコンディションで、例年18℃前後の
水温も、今年は21℃でした。朝の気温は9℃で、バイクの途中までは靄で視界
が真っ白になり、森の中は凍て付くような寒さの中バイクを走らせていましたが、
ランの頃になると25℃を超える暑さを感じるほどの強い日差しで選手は苦しめら
れました。その中を、男子はキャメロン・ブラウンがコースレコードを更新する、
8時間20分で優勝。5連覇を達成しました。また、女子も、NZのジョアンナ・ロウ
ンが3連覇を達成。キャメロンもジョアンナも、危なげないレース運びで、2位を
15分から20分引き離す貫録勝ちでした。そして、男女共、NZ勢がタイトルを手に
し、また新たな記録を作り上げました。

今回私は、残念ながら自分のレースができず、12時間6分51秒でのゴールでした。
今年は、新しい試みとして、ニュージーランドで信頼できるコーチの元でトレー
ニングを展開してきたので、このレースをとても楽しみにしていたのと、周りか
らのたくさんのサポートや応援を受けたことに対しての感謝の気持ちを持ってレ
ースに臨みました。しかし、当日のレースが始まってから、持病のアレルギー反
応が起こり、その症状が次第に悪化していきました。レース中、時々こういった
症状がでるのですが、今回はごまかせないほどひどい症状に陥ってしまいました。
スイムでは、1時間を少しオーバーし、予定より出遅れてしまいましたが、今回の
トレーニングでバイク、ランでは自身がありましたので、それからの追い上げに
懸けバイクを走らせていたのですが、寒いせいで鼻水が止まらないのか、何か異
変を感じ始めた時にはもう唾液も止まらず、呼吸も深く吸えない状態になってい
きました。しかし、諦めたくない一心で、バイク終了まではなんとか持ち運び、
6位でランに突入しました。しかし、やはりランでは制限される呼吸や異常な吐
き気と唾液で走れる状態ではなく、最初のエイドステーション辺りでコースを外
れメディカルに運ばれました。そこで血圧と体温の正常を待ち、症状が治まって
からドクターの許可を得、再び走り始めたのが優勝したキャメロンや2位のゴード
・バーンが既にゴールを決めた後でした。とりあえず、レース中は何も食べられ
なかったので、走る前にバナナを1本食べ、以前の経験からエイドステーションで
コーラを一口でも飲み続ければゴールできる可能性はあったので、自分の身体と
対話しながら無理せず足を運びました。そうして、結局は、途中でまた倒れる事
も無く、無事にゴールに戻ってくる事が出来、しばらく振りにアイアンマンを始
めた頃のゴールできる喜びを感じました。

今回は、プロとして途中で戦いから外れたことに対して非常に悔しい思いをしま
した。しかし、私がトライアスロンを始めて初めて出場したロングのレース、
93年の宮古島や、95年の初めてのハワイは、今回と同じ様なケースでゴールをし
ましたし、その他でもこの様な症状がでても苦しみながらゴールをしたことも過
去にいくつかあったことを、今、思い出します。13年かけて、今はプロとしてこ
こまでこれたことも、今まで頑張ってきた自分があったからこそだと思います。
プロとしてのプライドもなくてはいけないことかもしれませんが、私は今まで積
み重ねてきた自分自身のやり方を再確認し、今回の完走ができたことは、これか
らまだレベルアップを必要とする私には必要なことだったと思います。

ただ、それと今回の結果と結びつける事は違う話で、やはり私はまだまだ力不足
なことは確かです。プロとして、どんな状況の中でも結果をきちんと出せる選手
にならなくてはいけません。今の私は、今回は、本当に調整がうまくできたのか。
このような症状が出やすい体調になっていたのであれば、どこかで道を外れた可
能性もあるし、原因を探り出し、次の課題としていかなければなりません。また、
こうなった時の対策もしっかりする必要があります。次は、5月のアイアンマン・
ジャパンに出場を決意しました。先日、今年の日本は花粉の飛散量が30倍と聞き、
出場を迷いましたが、今となってはそんな事を考えている場合ではなく、敢えて
ジャパンでは、これらを踏まえ、自分を試す意味でも出場をしようと思います。
本当に強い選手を目指して、自分のできることを精一杯やることが、今の私の役
目だと思います。

<男子プロ>
 1. Cameron BROWN  NZL     8:20:15
 2. Gordo BYRN     NZL    8:39:52
 3. Bryan RHODES   NZL     8:42:01

<女子プロ>
 1. Jo Lawn             NZL    9:30:14
 2. Monica Caplan         USA    9:46:07
 3. Claire Murray          HKG     9:59:06
 4. Jess Draskau-Petersson  GBR    10:00:46
 5. Naomi Imaizumi        JPN    10:23:42
 7. Yoko Hori            JPN    12:06:51

  1. このニュースは表記の日時現在のものであり、追加変更の可能性があります。
  2. ニュースの全文または一部の文章をホームページ、メーリングリスト、ニュースグループまたは他のメディア等へ転載する場合は、出典・日時などを明記してください。