2022世界選手権でパラトライアスロンの新たな歴史 初のパラトライアスロン混合リレーを実施
11月24日~26日にアラブ首長国連邦・アブダビで開催された2022ワールドトライアスロン世界選手権にて、パラトライアスロンの新種目「混合リレー」がエキシビション競技として初めて実施されました。
IFであるWorld Triathlon(TRI)は、将来の競技化に向けた選手のフィードバックやロジスティック、手順の確認などを行うことを目的として実施しました。
日本は出場選手が揃わず、他国との合同チームとしてオープン参加しましたが、エリート混合リレー同様のプロトコルも一部導入され、リレーの醍醐味であるチーム戦の魅力を感じることができ選手たちは盛り上がりました。
【ワールドトライアスロン世界選手権パラミックスリレー 実施概要】
1)開催日 11月26日(土)7:15スタート
2)競技距離
スイム:150m(1周)、バイク4.598km(0.369km+3.851km×1周+0.379km)、ラン1.2km(1周)
3)参加条件および競技ルール(テストルール)
・男女各2選手ずつ計4名 ただし、3選手からなるチームも可能で、その場合はPTSの選手が必要に応じて2回競技する
・PTWCとPTVI選手は各1名のみチームに参加可能
・クラス・性別ごとにポイントが付与され1チーム合計20ポイント以下であれば出場可
・PTWC選手がチームの第1走でなければならない、2走以降の走順は自由
4)結果
https://triathlon.org/results/result/2022_world_triathlon_championship_finals_abu_dhabi/577015
*World Triathlonニュース
【Para Triathlon history made in Abu Dhabi with first ever Para Triathlon Mixed Relay】
アブダビでパラトライアスロンの新たな歴史―初のパラトライアスロン混合リレーを実施
For the first time ever in the sport, a Para Triathlon Mixed Relay was held on Saturday morning, part of the programme of the World Triathlon Championship Finals Abu Dhabi and a landmark moment for para sport.
土曜日の朝、アブダビワールドトライアスロンチャンピオンシップファイナルズのプログラムの一環として、パラトライアスロン混合リレーがパラトライアスロン種目として初めて行われ、パラスポーツ史上においても画期的な瞬間となった。
Given the inherent diversity of para triathlon racing the planning needed to be intricate, the format was bold and the result was revelatory, the atmosphere and celebrations on the course and at the finish testament to the sense of something special being created.
パラトライアスロンレース特有の多様性により、準備には複雑な作業を要し、大胆なフォーマットで目から鱗が落ちるような結果となったが、コース上やフィニッシュでの雰囲気や歓喜は、何か特別な事が起きていることを感じさせた。
“I have been blown away watching the racing today, the spectators and athletes have loved it and it will be fantastic if we can get this event into the Paralympic Games,” said Debbie Alexander, World Triathlon Vice President and IPC Board Member. “We know the huge impact that the mixed relay had in the Olympics, and I am convinced that it will do the same for Para Triathlon. We are making history today and I want to thank everyone involved for continuing to evolve and innovate our sport.”
「今日、レースを見て心底感動しました。観客も選手たちも喜んでいて、この種目をパラリンピック競技大会に組み入れることができれば最高だと思います」とワールドトライアスロン副会長でIPC理事のデビー・アレキサンダー氏は語った。「オリンピック競技でも混合リレーは非常に大きなインパクトがありましたので、パラトライアスロンでも同様のことが起きると確信しています。今日、歴史が創られました。トライアスロンの進化と革新に絶えず尽力している関係者の皆様に感謝します。」
“I’m very pleased to be here and to explore new events for these talented athletes,” said Mohamed Alhameli, Chairman of the UAE Paralympic Committee and IPC Board Member. “It is the first time the relay has been introduced and I hope it will become part of the official World Triathlon events soon. Thanks to the World Triathlon management and the organising committee and the participating countries. I think it is a product that will be loved by the media – short, exciting and a great look at what these talented athletes can do.”
UAEパラリンピック委員会会長でIPC理事のモハメド・アルハメリ氏は、「ここで、このような才能あるアスリートの皆さんのために新たな種目の可能性を探ることができてとても嬉しく思います。今回リレーが導入されたのは初めてのことで、これが早くワールドトライアスロンの公式種目の一つになることを願っています。ワールドトライアスロンの執行部と組織委員会、そして参加各国の皆様に感謝します。競技時間が短く、エキサイティングで、才能あるアスリートの皆さんが何ができるかを感動をもって見せてくれるこの種目は、メディアにも歓迎されると思います」とコメントした。
The showcase event saw 9 teams line up: two from Australia and USA, France, Italy and three World Triathlon mixed nationality teams, and several of the freshly crowned 2022 World Champions were among the athletes making a piece of history.
このエキシビション種目には9チーム―オーストラリアと米国からそれぞれ2チーム、フランスとイタリアから各1チーム、そして3つのワールドトライアスロン国籍混合チーム―が参加し、2022年新たにワールドチャンピオンに輝いたアスリートたちも参加チームに名を連ね、歴史の1ページを綴った。
Each of the four legs involved a one-lap, 150m swim transitioning to a 4.5km bike and 1.2km run, the officials radioing the handovers from the run finish to pontoon to send the next team member into the water.
150mスイムから4.5kmのバイク、そして1.2kmのランへと転換する1周回を4人のメンバーがそれぞれ繋ぎ、ランフィニッシュから次のチームメンバーがポンツーンで入水するのを送り出すための引き継ぎはオフィシャルの無線通信によって行われた。
The mix of genders and classes made for non-stop action, the inevitable huge variation in transition times for those in handcycles versus bikes, prosthetics and visually impaired making the leads and gaps ebb and flow throughout the 70-minute race.
ジェンダーとクラスが混ざり合うノンストップのアクションでは、ハンドサイクルとバイクでトランジションにかかる時間に多様な差が必然的に生じたり、義肢や視覚障がいの選手たちが差を広げたり詰めたりしながら70分のレースが展開した。
It may have been a showcase event, but there was no shortage of competitive fire from the athletes as Team Australia II took the tape from Team USA I, and it was bronze for Team USA II.
エキシビション種目でありながらも選手たちは競争心を欠くことなく、チームオーストラリアIIがチーム米国Iよりも先にフィニッシュをし、チーム米国IIが銅メダルとなった。
“To break the tape and take it home in the first race was a huge honour,” said Team Australia II’s Jeremy Peacock. It’s such a great opportunity for Para Triathlon, we’ve seen what it has done on the Olympic programme, so hopefully we can do the same for the Paralympic programme now. That was an epic first event, we’ll all have learned a lot today.”
「最初のレースでフィニッシュテープを切り本国に持ち帰ることができるのはとても名誉なことです」と語ったのはチームオーストラリアIIのジェレミー・ピーコック。「パラトライアスロンにとって素晴らしい機会となりました。オリンピックでリレー種目が挙げた成果を見ているので、パラリンピック競技でも同じことができると願っています。今日は最高の初競技となり、私たちは皆多くのことを学んだと思います。」
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